
なにもできない。いや、なにもしたくない。

めずらしくネガティブですね。
まいにち忙しく働くぼくたちは、ときにこんな気持ちに襲われる日があります。
もちろん専業主婦の方や、学生の方だっておなじ。
生きているあいだ、ずっと全力で進んでいられたら良いのかもしれないのだけれど、
実際にはそうもいかないのがほんとうのところ。
「夢を語ろう。実現しよう。」をモットーに行動しているぼくにだって、そんな日はあります。
だからこそ、「なにもできない日は、なにもしない」。
そんな日があったっていいじゃないかというおはなし。
急になにも手につかない日。
目の前の目標やタスクを処理することに心を燃やし、人一倍動いている。
そしてそんな自分が好きで、忙しいことに充実感を覚えている。
必死に動き回って、成果をあげる。
こんなまいにちを送っていたのに、朝起きるとふと芽生えた感情に気づく。
「なんにもしたくない」
昨日までとは打って変わって、なにも手につかない。
なにもしたくないし、なにもできない。
こころを奮い立たせようにも、気が抜けてしまう。
なんとか立ち上がっても、すぐにぼーっとしてしまう。
こういうときって、必ずきます。
「そんなときには、しっかり休もう」なんて声も聞こえてきますが、
そんな簡単には休めないのが本音ですよね。
仕事での役割、家庭での役割、親としての役割、パートナーとしての役割…
ぼくたちは生きている限り、役割にしばられています。
だから簡単には休めない。
とはいえ、なにもやる気が起きない。
それが問題です。
なにもできない日は、なにもしない。
じゃあそんな問題に対して、どうするかですよね。
ぼくは、「なにもしない」ことを推奨します。

えっ?でも役割の話してたじゃんか。
そう。
ぼくたちには「役割」がある。
でもその役割は、まいにち全力でやらなくてもいいんです。
まいにち全力が理想だとしても、それは理想。
だからその通りにならなくてもいいんです。
役割はきっと自分ひとりのものじゃないから。
会社だったら、同僚が助けてくれます。
家庭だったら、家族が助けてくれます。
そうやって誰かが役割を代わってくれる。
だから自分ひとりで抱え込まないで、役割から逃げてもいいんです。
すこし休んだら、また役割にもどる。
そんなやり方で、ぼくはいいと思っています。
ぼくはぼく、あなたはあなた。
とはいえ、これは「あなたの代わりはどこにでもいる」という話ではありません。
会社で働いていると、そんな声をかけられるときがあります。
退職の際だったり、休みを取るときだったり。
それは嫌味で言っているときもあれば、単にやさしさから「気にしなくていいんだよ」と言ってくれているときもあるでしょう。
ただ、どちらにしても危険なのは「自分の代わりはどこにでもいる。じゃあ別に自分はいらないんだ」と思ってしまうこと。
これは大きなまちがいです。
あなたの代わりはあくまでも、あなたの代わり。
それはあなたの代わりなだけであって、決してあなたではない。
同じことをやっていたって、まったく同じにはなりません。
あなたの役割ができるのは、あなただけですから。
だから自分を下げずに、上手に休んでほしいと思っています。
なにもできなくてもいい。できるようになったら、また始めよう。
なにもできない日は、なにもしなくていい。
だからなにもできない日には、なにもせずただそこにいてください。
それだけで安心したり、救われる人もいます。
あなたがほんとうにつぶれてしまったり、いなくなってしまったら、もっとかなしむ人やもっと困る人がいます。
だからなにもできない日は、なにもしないでおこう。
ゆっくり休んで、またできるようになったら、また始めよう。
それまでは、ただゆったりと。
Wave on waves.
疲れたら海を見に行こう。

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